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太陽の帝国

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2017.10.18 Wed.

北の国から

北海道の富良野あたりの話ではなくて、もうちょっと西側の半島のかの国のこと。

最近は小康状態を保っているが、一時期は連日のようにミサイルの報道がなされており、いつ飛んできてもおかしくない状態だから気をつけて、うん、そうだね、気をつけよう、通勤通学時はミサイルに気をつけるべきだ、混乱すると危ないから地下鉄もストップさせて気をつけよう、自衛隊とアメリカさん、ちゃんと撃ち落とせるように気をつけてくれよな、うお、北海道の上空を通過したやんけ、ちゃんと気を付けろよ、もう、などと、皆で話し合っていた。

気をつけろったって、どうやって気をつければいいんだ。
頭を抱えて地面に伏せることが果たして正解なのだろうか……。

ミサイルは飛んできて落っこちるもの、落っこちてきたらアブネエ、気をつけよう、そうやって皆が謎の危機管理をしている間、私は報道の映像を観ながら別のことを考えていた。

「ミサイルって、ダーツみたいだな……」

長細いボディーがあって、先がとんがっていて、おケツに小さい羽根のようなものが付いていて、真ん中あたりをグリップして、ほい、と投げたら飛んで行きそうな。
実際に、ハンディタイプミサイルというものが存在するならば、ブルあたりを狙って、一度是非投げてみたいものである。

ミサイルに極めて近い形のダーツ、燃料で飛んで行くダーツ、というのはおそらくまだ存在しないが、DMCという日本のダーツメーカーが、ミサイルの名前を使って、すでに商品を展開している。

さすが老舗のダーツメーカー、目の付けどころがミサイルだね、つって。
ファルコン、サイドワインダー、フェニックス、ホーク、マーヴェリックあたりはみんなアメリカさんちのミサイルの名前。

新商品を出すにあたり、アメリカシリーズは休止して、かの国シリーズ、ノドン、テポドン、光明星、銀河、白頭山、あたりを使ってくんないかな。

『NEWモデル、テポドン、今冬新登場! どこに刺さるかわからない(腕次第)核弾頭型ティップ搭載、ものすごい飛び、どんくらいすごいかというと、グアムまで飛ぶ!』

そんなくだらないことを考えながら……。

で、じゃ、実際に日本へミサイルが落ちたらどうなるかというと、いろいろ様々あって、日本の周辺が戦争状態に突入するという可能性もゼロではないのである。

戦争になったらどうなるか。

想像するのは難しいけれども、日本は時を遡ること戦国時代以前の過去から、ずっと戦争をしていた国であり、近代では戦敗国としての歴史もある。

戦争をモチーフとした映像作品も沢山作られている。

そんな作品群を観ながら、有事の際にはどういう行動を取るべきか、想像して脳内訓練を積んでおくことも、きっと必要ではないのかな、と思う今日この頃なのでした、まる。

太陽の帝国

1987年公開の『太陽の帝国』という映画がある。
あのスティーブン・スピルバーグが監督している。

舞台は1941年頃の中国は上海。
イギリス租界で育った少年が、日中戦争の折、対英開戦、日本軍の侵攻に遭遇し、両親ともはぐれ日本軍の捕虜となり、蘇州の捕虜収容所で暮らし始める、といったストーリー。

子役として登場するのはクリスチャン・ベール。
映画『バットマン・ビギンズ』からのバットマン役である。
若い。
後にバットマンになるとはこの時はまだ想像もしていなかったはず。

時の流れは恐ろしい、なんつってストーリーを追っていくと、租界という外国人居留区で暮らしていたがために、日本軍に捕らわれたイギリスの人々の苦難が描かれていく。

ミサイル騒動のあった後に考えてみると、仮に日本の周辺で戦争が起こった場合、のほほんと日本で暮らしていた人々が、映画同様、どこかの国の軍隊の捕虜となる可能性は、大いにある。

今、捕虜として捕らえられたら、どうやって生きていけばいいのやら。

途中、捕虜収容所の内部を映す場面でダーツボードを発見した。

はっ!
そうか、ダーツだ。

ダーツとダーツボードさえあれば、たとえプレステ4やSwitchがなくてもヒマな時間は遊んで暮らせるはずだ。

そこそこ素敵なゲーミングライフ……。

いや、違う、そういうことじゃないか。

意外と現代的なダーツボード。フライトやシャフトも現代的。時代考証しているかどうかは謎。

中国におけるダーツの歴史

ううむ、それにしてもどうやってダーツとダーツボードを持ち込んだのだ、この捕虜たちは。
武器となりかねない謎の物体の持ち込みを日本軍側がOKしているというのは、どうにも解せない。

ダーツとはこういうものだ、と誰かが日本軍に説明したのであろうか。

はたまた、感動するで有名な映画『ショーシャンクの空に』にて登場する、レッドという人物。
看守にバレないように刑務所内へ何でも調達できるご都合主義的オジサンなのだが、そのような便利なキャラクターが存在していたのであろうか。

考え出すとキリがないものの、スピルバーグ監督がきちんと歴史的検証を行っていれば、の話だが、時は1941年頃、その頃、すでに中国国内にはダーツボードが流入していたことになる。

中国のダーツの歴史、についての貴重な足跡である。

ま、中国は四千年とか五千年の歴史があるので、ひょっとしたらそれ以前にダーツを持ち込んだイギリス人がいたかもしれないけれど……。

最近になって、ダーツブームがやってきていると噂の中国。

政府も競技の波及に乗り気なようで、今後、もしかしたら強い選手が続々と現れるかもしれないですよ。

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