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<メジャー>ワールドチャンピオンシップ、スタッツ分析

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2017.12.14 Thu.

セットのフォーマットは精神と肉体をすり減らす

https://www.pdc.tv/news/2017/…

PDCスタッツ分析チームのクリストファー・ケンプはWilliam Hillワールドダーツチャンピオンシップのフォーマットがプレーを難しくしている一方、見る側には大変面白い試合となっていると分析した。

セット試合のセオリー:

16度のワールドチャンピオン、フィル・テーラーはジョン・パートに敗退した2003年とギャリー・アンダーソンに敗退した2015年の2度のワールドチャンピオン決勝を振り返り、どう見ても自分の方が良かったと感じている。

両試合ともセットカウント6-7で敗れはしたものの、この2つの決勝でテーラーは殆どのレッグを勝っており、スコットランド人の26レッグ、カナダ人の25レッグに対し両試合とも27レッグを勝っていた。

しかし50レッグを超えるこの試合ではレッグ数で優ることは絶対的に必要なことではない。

2003年のワールドチャンピオンシップではテーラーはジョン・パートに3セット全ての最終レッグで敗れ優勝を逃しており、アンダーソンに対しては取った9レッグをセット奪取に生かせられなかった。

テーラーのレッグ得失は全体における数以外の課題だった。セットでの試合においてはレッグ獲得のタイミングが重要で他のイベント以上にワールドチャンピオンシップではそれが大切となっている。

セットはお化け屋敷の鏡のようなものだ。5分のホワイトウォッシュで3レッグを取るセットも疲れ果てて30分もかかって5レッグに及ぶセットを取ることも同じ価値なのだ。

6レッグを勝ったとしてもセットカウント3-0で負けることも有り得るし20レッグのうち11レッグを負けてもセットは3-2となることもある。

試合のセットを勝利するには大きな違いに配慮する必要があり、優勢と劣勢を見極める能力が必要となる。

ワールドマッチプレーで4レッグのリードに対してイーブンとするには最小限2レッグをブレークしなければならず、ワールドチャンピオンシップで2セットリードすることはより大きなアドバンテージで、イーブンとするには5レッグをブレークするに等しい勝利が必要となる。

セットでの試合ではキープ数とブレーク数の合計より必要なレッグを必要な時に勝てるプレーヤーに絶対的有利にできている。

セットでの試合で先攻後攻があるが、セットでの先攻はレッグの先攻に比較し無視できる程の有利さしかない。

2017年のアレキサンドラパレスでは先攻の64%がレッグ勝ちをしていたがセットの先攻では51%がセット勝ちとなっており先攻後攻の優劣は認めがたい。

セットの試合ではレッグ通算の試合で最も重要な要素であるキープとブレークという重要性が変化する。そしてプレーヤーが自己のパーフォーマンスを時折確認するレファランスポイントなるものを排除し、常に相手をリードすることに集中させる。

セットを勝つには他のイベントで時折できるような遊びでブレークできるようなことはない。例えば5レッグのうち3レッグで先攻できるセットでも、そのプレーヤーは少なくとも1レッグをブレークするよう懸命にならなければならず、相手方も同じ状況になる。

2017年のワールドチャンピオンシップでは8%のセットでしかブレークのないセットがなく、5試合で2セットの発生割合だ。アリパリでの平均はセットあたり1.2のブレークとなる。

全セットでブレークが要求されるプレッシャーは、テレビ放映イベントやワールドシリーズなど長いレッグマッチを経験して来ているランキング上位のプレーヤーに特に敬遠されているが、基本的には特段先攻に有利性の多くない短い試合の連続を勝ち抜くことだと判るだろう。

最後に、セットの試合でもレッグプレーが重要となる場面がある。最終レッグや最終決定レッグだ。これがセット試合に何度も現れてくる。

セットの勝敗に目を向けると、2017年ワールドチャンピオンシップでは122回もの最終レッグが発現、レッグフォーマットでのヨーロピアンチャンピオンシップではたった7回だけだった。

試合で何度も最終レッグを戦うことは神経をすり減らし、ストレートレッグのフォーマットに比べ精神的な負担が半端ではなくなる。

最終レッグの勝利は新たなレベルの満足感と安心感を味わい、敗着は絶望の淵に叩き込まれる。

プレーヤーがいくら頑張って2レッグをとっても敗着ならスコアボードから消し去られ、前のセットのスタート地点まで戻され価値のない2レッグに言訳をすることになる。

本当の最終セット最終レッグは、両プレーヤーが最終セットで5-5となった場合に発動されるが、これはもっと悲惨だ。このレッグの先攻は試合前に改めてセンター勝負で決められる1レッグだ。

長く疲れた格闘の後、1レッグだけで両者の運命の明暗が決まってしまう。

多くのプレーヤーはレッグ数のフォーマットが好みだ。特にマイケル・バン・ガーウェンが昨年コメントしていたように、調子が良ければこのセットのフォーマットが良いという。相手はすり減らし負けてしまうためだ。

2016年ワールドチャンピオンシップ一回戦ではレーネ・エイダムズがバン・ガーウェンをあと2レッグまで追い込んだものの3-2でぎりぎりの勝利、長いフォーマットでは数えきれない優勝を飾っており、この見解も理解できる。

しかしワールドチャンピオンシップの観客は予想できないセット試合にオッズも揺れ動き、バン・ガーウェンの言う「必要な時に必要なショット」を繰り出すことのできたプレーヤーが最終レッグを取りセットをもぎ取ることが出来るだろう。

ワールドチャンピオンシップ決勝13セットフォーマットで戦われたレッグ数

2001年:24レッグ(テーラー21/ジョンパート3)
2002年:26レッグ(テーラー21/ピーターマンレー5)
2003年:52レッグ(テーラー27/ジョンパート25)パート優勝
2004年:64レッグ(テーラー34/ケビンペインター30)
2005年:47レッグ(テーラー28/マークダッドブリッジ19)
2006年:27レッグ(テーラー21/ピーターマンレー6)
2007年:57レッグ(バーニー29/テーラー28)
2008年:40レッグ(ジョンパート25/カークシェファード15)
2009年:35レッグ(テーラー23/バーニー12)
2010年:42レッグ(テーラー26/ウィットロック16)
2011年:45レッグ(ルイス24/ギャリー21)
2012年:43レッグ(ルイス23/ハミルトン20)
2013年:50レッグ(テーラー27/バンガーウェン23)
2014年:44レッグ(バンガーウェン25/ピーターライト19)
2015年:53レッグ(テーラー27/ギャリー26)ギャリー優勝
2016年:45レッグ(ギャリー26/ルイス19)
2017年:44レッグ(バンガーウェン27/ギャリー17)

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