TRiNiDAD Gomezの系譜
5月のビッグネームバレル発売、第三弾はTRiNiDAD Gomezの系譜です。
(写真:左 Gomez→右 Gomez 7)
前回、OGREの進化の特徴として「劇的な変化が少ない」と記述しておりますが、 Gomezについては、まさに対極的な存在で、その進化は「劇的な変化の連続」と言えるでしょう。
まず Gomez 3→ Gomez 4→ Gomez 5での形状変化。オーソドックスなトルピード型→ひし型→逆トルピード型と、同じ名前を冠するバレルとは思えぬほど大きく変わってます。
そして、 Gomez 5→ Gomez 6→ Gomez 7での重量変化。ご存じの通り、スティールでのプレイも意識した進化の結果、21.5gなんていう“セグメント泣かせ”な重量バレルになりました。
バレル名 タイプ 全長(㎜) 最大径(㎜) 重量(g)
Gomez 2BA 38.0 7.3 16.5
Gomez 2 2BA 39.0 7.3 16.5
Gomez 3 2BA 39.0 7.5 16.5
Gomez 4 2BA 39.0 7.8 16.5
Gomez 5 2BA 39.0 7.5 16.5
Gomez 6 2BA 42.0 7.5 20.5
Gomez 7 2BA 42.1 7.6 21.5
他にも、比較的早い時期からのマイクロカット導入をはじめ、時々の潮流を上手く取り込んだ設計が成されてます。
特にGomez 7でのバレル前方まで施されたマイクロカットは、以前からスティールの世界では常識となっている「バレルの絡み」を狙ったもので、これまでに無いモノを取り込む姿勢のハンパないことに驚かされます。
ところで、このカットによる「バレルの絡み」、私みたいな“まともにグルーピングしない人間”には、なんかピンと来ないんですよね〜。どういった力学の働きでそうなるのか、どなたか分かり易く解説して頂ける方いらっしゃいませんか?(笑)
Gomez 7の商品説明文を見ていて、アレッ?と思ったのが「Gomezシリーズの中で初の前重心」という記述。
まあGomez 4以降はひし形・逆トルピードなので、前重心じゃないのはわかりますけどね。
そして、Gomez 7は「逆トルピードなのに前重心」だという驚き。
ちょっとGomez 5・Gomez 6・Gomez 7の前後のくり抜き具合を見てみましょう。(写真参照)
上段のGomez 5は、39mmと一番短いのに、16.5gの重量にするため、前後とも大きくくり抜いています。
中段のGomez 6では、42mmと長くなったのに20.5gの重量実現のため、前後のくり抜きはとても小さくなりました。
そして下段のGomez 7は、重量を出すために材を比重の高いタングステン95%にして、さらに緩やかなテーパーでバレル外形をグラマラスにしています。そこで稼いだ分、後部のくり抜き量を増やして、前重心を実現しているようですね。設計時における全体のバランス出しが大変だったんじゃないかと偲ばれます。
さて、そんなGomez 7を投げてみました。
分かってましたけど……重いです。普段Pyro2を使っている私にはキツ過ぎます。
そうでなくても最近肘の調子が悪いので、壊す前に止めておきます。
元気な、若いみなさんはガンガン投げ込んで下さいね!