【メンタル強化】正しい深呼吸の方法
深呼吸で緊張を緩和する
緊張している時によく、『深呼吸して落ち着いて』という風にアドバイスしたりされたりという場面がある。
深呼吸は確かに有効な緊張緩和法だが、間違った深呼吸をしていると緊張緩和どころかますます緊張が増加してしまう。
本記事では深呼吸がなぜ緊張緩和に効果的なのか解説をしながら正しい深呼吸の方法を解説していく。
緊張緩和のために深呼吸をする理由
いわゆる『緊張している』状態というのは、交感神経優位の状態である。
交感神経が優位な時は筋肉へ血液が流れ込み筋機能を増大させようとするが、過度に交感神経優位の場合は筋肉のこわばりにつながる。
そして、頭は真っ白になり冷静な判断が下せない。
そのため、交感神経の対となる副交感神経を優位状態にすることが重要。
深呼吸で副交感神経優位状態を作り出す
副交感神経を優位にするためには、身体から副交感神経のスイッチを入れてやる必要がある。
副交感神経優位状態の身体は、体温は下がり、筋肉は弛緩し、血圧も下がり、呼吸もゆっくりになる。
つまり、リラックスしている状態だ。
身体がこのようなリラックスしている状態になれば、副交感神経は自然に優位になる。
そのため、緊張している時こそリラックスするべきなのだが、それができれば苦労しない。
あと一本ブルに入れればトーナメントで優勝できる。外したら負け、という状況で簡単にリラックスできる人などいない。
緊張している時は、体は火照って筋肉はこわばり、血圧も上がり呼吸も早くなる。
リラックスするのは難しいが、先に挙げた『体温上昇』・『筋肉のこわばり』・『血圧上昇』・『呼吸の乱れ』の中で、一つだけ自分の意志で制御できることがある。
もちろん『呼吸』だ。
呼吸を整えれば脳内の副交感神経が優位となり、その他の体温や血圧の上昇、筋肉のこわばりも自然と落ち着いてくる。
これが、深呼吸が緊張緩和に効果的な理由だ。
間違った深呼吸
残念ながら間違った深呼吸をしていては緊張の緩和にはならない。
まずは、間違った深呼吸とはどういったものか説明する。
・間違った深呼吸1・呼吸が浅い
息を吸って・吐いて、吸って・吐いて、としているだけでは深呼吸とは言えない。
深呼吸とは、肺の中身を全部吐き出して取り入れる、空気を総入れ替えする程でなくては意味がない。
・間違った深呼吸2・呼吸回数が多い
深呼吸をしてと言われると、3秒で吸って3秒で吐く、それを何回か繰り返す。といったやり方を見せる人が多い。
しかし、これでは副交感神経優位とはならない。
むしろ、『呼吸が早く回数が多い』という交感神経優位の状況を再現してしまっているため、より交感神経が優位となり余計に緊張する、といったワケの分からない状態になってしまう。
・間違った深呼吸3・とりあえず『吸う』
深呼吸と言われると、とにかく息を大きく吸うことに意識が行く人がいる。
大きく吸って、一気に吐く。といった感じだ。
しかしそれでは逆効果だ。
なぜなら、交感神経は息を吸っている時に活発になり、逆に副交感神経は息を吐いている時に活発になる。
よって、とにかく息を吸うということをしていると交感神経優位となり、これまたより緊張するという事態に陥ってしまう。
正しい深呼吸
では、ここから正しい深呼吸の方法を解説していく。
先に間違った方法を挙げたので、要は逆のイメージで行えば良い。
・正しい深呼吸1・息を吐き切る
正しい深呼吸は、『息を吸う』ことではなく『息を吐くこと』。
息を吐き切って空っぽになった肺に、勝手に空気が流れ込むようなイメージだ。
・正しい深呼吸2・細く長く吐く
息を吐いている時に副交感神経は活発になるので、吸う時間より吐く時間が長くなって初めて効果がある。
具体的には、吐く時間は吸う時間の倍以上はとらないと意味が無い。
5秒で吸ったら10秒で吐く必要がある。
・正しい深呼吸3・腹式呼吸で
横隔膜を上下させる、腹式呼吸で行う。
腹式でなければ息を吐き切れないし、長い時間吐き出すこともできないためだ。
深呼吸する際は、意識して横隔膜を上下させよう。
・正しい深呼吸4・10秒以上かけて吐く
何度か説明している通り、副交感神経は息を吐く時に活発になる。
そして、その時間は10秒以上はないと緊張緩和としての効果が薄い。
・5秒で鼻から息を吸う
・10秒かけて口から息を吐く
・さらに5秒かけて、肺にある空気を吐ききる
1回の深呼吸には20秒を要する。
深呼吸は練習が必要
正しい深呼吸の方法と注意を説明したが、いかがだろうか。
思ったよりも注意するべきことが多くてややこしく感じたと思う。
しかし、正しい方法で行わなければ緊張緩和の効果はないので、日ごろから練習しておく必要がある。
練習といっても1日3分程度で十分。
通勤電車の中とか寝る前とかのちょっとしたスキマ時間に行うと良い。
普段の生活にも深呼吸を取り入れる
正しい深呼吸は、緊張緩和と共にストレス軽減の効果がある。
仕事で上司に叱られた時。
彼氏彼女に冷たくされた時。
コンビニ店員の態度が悪かった時。
日常の様々な場面でイラっとした時は、正しい深呼吸をするように心がけよう。
ストレスのかかった場面で深呼吸する習慣ができていれば、ダーツの試合中でも自然に取り入れられる。
『正しい深呼吸』は武器になる
メンタルスポーツであるダーツにおいて、緊張を制御できる『深呼吸』は有効な武器となる。
試合中は誰だって絶対に緊張する。自分も緊張するし、相手も緊張している。
その中で、自分だけ緊張緩和のスキルを体得できていれば大きなアドバンテージとなる。
ダーツが強くなるために、日頃から深呼吸の練習を是非習慣化していただきたい。
[COWDARTS.com]でも詳しく解説中
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