COLUMN

イメージトレーニングのススメ 解説編

0
0
2021.06.09 Wed.

イメージトレーニングはスキルアップにもメンタル強化にも有効

ダーツに限らず、世界で活躍するアスリートは皆イメージトレーニングを行っている。
野球・ボクシング・陸上競技・バドミントンなど。競技性に関わらず、皆もれなく行っている。

なぜ成功しているアスリートたちはイメージトレーニングを行うのか。
イメージトレーニングが効果のある練習だというのは聞いたことがあるが、なぜ効果的なのか。

本記事では、まずイメージトレーニングの有効性と根拠を解説していく。

脳は現実と想像を区別できない

このレモンの写真を見てみてほしい。
これを食べたらどんな味がするだろうか。想像してみてほしい。

多くの人は、その酸っぱさを想像して唾液が出てきたのではないだろうか。

実際にレモンを食べて酸っぱい思いをしたわけではないのに、想像するだけで唾液が溢れてくる。
これは、脳が現実と想像を区別できないためだ。

脳は現実でも想像でも、同じように神経細胞が反応する。

レモンの写真を見て味を想像している時。そして、実際にレモンを食べて酸っぱさを味わった時。
脳は、どちらの場合でも同じように情報処理をする。

ダーツにおいても同じ

ダーツやその他スポーツでも、同じことが起こる。

例えば毎日カウントアップを何回もこなして練習すれば間違いなく上達する。
練習した経験、例えば腕の振り方や筋肉の微妙な使い方・スタンスの角度や体重移動の具合など、様々なことが経験値として脳にインプットされるためだ。

そして、脳へのインプットは想像においても起こる。
先程のレモンの例のように、現実ではないことも脳は現実と同じように処理するからだ。
つまりイメージでも練習を重ねれば、その経験値は脳にインプットされ、スキルの上昇が起こる。

驚くことに、質の高いイメージトレーニングを習得した人であれば、筋トレのイメージトレーニングをすることにより実際に筋肉量が増加するという。

緊張緩和にも効果的

ダーツプレイヤーの大きな敵である『緊張』の緩和にもイメージトレーニングは効果がある。

脳が緊張状態である時、脳内ではノルアドレナリンという物質が過剰に分泌されている。
ノルアドレナリンは、筋肉への血流を増やしたり心拍数の上昇などを引き起こし身体機能の向上を促す脳内物質だが、過剰分泌されると身体のこわばりや軽いパニックなどを引き起こす要因となる。

ノルアドレナリンの分泌を指令する『偏桃体』という箇所は、自身が危機的状況にあると判断した時にノルアドレナリンの分泌を促す。
危機的状況とはつまり、交通事故に遭いかけた時のような身体的な危機や、ダーツで追い詰められた時のような『不安感』・『不快感』の強い状況のことだ。

緊張=不安

そして、『不安』とは『成功確率の低さ』に起因する。

例えば、次のラウンドで『ハットトリックを決めなければ殴る』と屈強な男に言われたら、緊張しない人はいないだろう。
ハットトリックの成功確率は高くないため、偏桃体が危機だと判断し、ノルアドレナリンを分泌するからだ。

逆に言うと、偏桃体が危機だと感じなければノルアドレナリンは過剰に分泌されない。(=緊張しない)

不安は成功体験の少なさに起因する

『テーブルの上のコップを持ち上げて。できなければ殴る。』と言われて緊張する人はいない。
コップを持ち上げることなど失敗しようがないからだ。

でもハットトリックは難しい。

しかし想像の中ではどうだろうか。

想像の中ではハットトリックなんていくらでも決められる。ハットトリックどころかブラックだって180だって自由自在。

イメージトレーニングで成功体験を積む

自分がハットを決める様を精緻に想像する。何度も繰り返し想像する。
繰り返し想像する度、脳内では成功体験が積まれていく。
そして脳は想像と現実の区別ができない。

成功体験を充分に積んだ脳・偏桃体は『ハットトリックを決めなければいけない』状況でも危機的状況と判断せず、ノルアドレナリンは過剰に分泌されない。

これが、イメージトレーニングが緊張緩和に効果的な理由だ。

正しいやり方でなければ効果なし

イメージトレーニングが有効な練習であることがお分かりいただけただろうか。
しかし、正しいやり方でイメージトレーニングをしなければ効果は表れない。

次回更新にて、実践編ということでイメージトレーニングの有効なやり方を解説する。
是非そちらもご覧ください。

[COWDARTS.com]でも詳しく解説中
以下よりご覧ください
https://cowdarts.com/category…

0
0

LATEST COLUMN

HOME

COLUMN

イメージトレーニングのススメ 解説編