【ハウストーナメントノススメ】
ハウストーナメントはすごくいいイベントだ
……ハウストーナメントはすごくいい。
これまで様々なダーツに関わるものをオススメしてきた。【ダーツバー】【リーグ】【トーナメント】と三つであるが、今回はこれに加えて、もっと気軽に参加できる可能性がある【ハウストーナメント】をオススメしたい。ダーツバーやリーグにも深く繋がりがあるものであるし、ビッグトーナメントにもリンクする所があるものである。もちろん【街トーナメント】というのも存在しているので、そういったお店の垣根を越えたトーナメントとも深くつながっている事が多い。お店規模で行われるハウストーナメントのススメを少し書いていきたい。何よりダーツバーを放浪していて、これを忘れるわけにはいかないと思っていたところもある。
昨今多数のSNSで、各ダーツバー、ダーツスポットなどのハウストーナメントなるものの情報が手に入る事と思う。私自身、毎週どこかでハウストーナメントが開催されているという実感もある。週明け月曜日などには「昨日は○○のハウスでした!!」という投稿や「優勝しました!!」「入賞しました!!」などという投稿を多く目にする機会があるだろうと思う。もちろん、ハウストーナメントのゲストに招待されているプロプレイヤーなどが告知を拡散していたり、呼びかけていたりしている事が多いだろう。
ここ最近のSMAGコラムで紹介させていただいているお店は、ハウスが今週末だとか、近々でスケジュールがある事が多かったのも印象的であった。ハウストーナメントはダーツバーにとっても大切なものだと考えるお店の方が多い事と思う。
ハウストーナメントは、ダーツバーの数だけある。もちろん一切開催しない店舗もあるのだが、全体的に見るとほとんどのお店が開催している。最近やってなかったとしても、不定期で実施する所もあるだろうし、定期的に月に一回などという事もある。ソフトダーツだけでなく、ハードダーツでハウスを行うお店もある。私の経験では2部制で開催している所もあった。もちろん、関係の深いお店と合同で行う所もある。ハウスの日だけ特別な食事やドリンクがふるまわれる事もある。
すべてのダーツバーや、店舗に当てはまるとは言えないものの、いくつかのオススメをご紹介したいと考えている。
①お店のお祭りである
ハウストーナメントはその名の通り、「ハウス」である。ハウスとは何を指すのかというと「クラブハウスサンド」や「ハウスワイン」のその「ハウス」と同義で、お店独自のという意味合いを持つ。
お店の常連様お得意様だけでなく、その知り合い、そのまた知り合いの方などが参加してくる事も多い。急に来て、はじめましてで参加する人が少ない現状だが、まったく皆無でもない。なんだかんだ2~3人いる事が多い。昨今はSNSなどで告知を見て、参加を決める人もいるようである。とはいえお店側が迷惑と言う事は一切ない。むしろ大歓迎であるだろうと思う。常連の知り合いの知り合い……までの関係になると大体においてお店に来るのが初めてという人がほとんどである。臆する必要はない。誰もみな最初は「初めて」なのだから。
もちろん近隣で付き合いがあるダーツバー関係者や、普通のバーなど飲食店が挨拶などで来る事もあるし、参加している事もある。お互いに行き来する事によって、親睦を深めたり、お客様をお互いに紹介しあったり、ひとつの大きなコミュニティとなってゆく。ダーツをしていれば、それ以上他に何もいらないだろう。大爆笑の一発ギャグなどなくても、ダーツの話をする事で仲良くなって行けることもあると思う。その内容に関してまた後述するが、お祭りになる事がほとんどである。
通常メニューではなくハウストーナメント専用のフードメニューを用意する所も多い。たとえば、お祭りのように焼きそばや焼きイカなど、露店で食べれるようなフードを敢えて用意したり、近隣の付き合いのある美味しい飲食店の人や、お客様で料理が得意な方が腕をふるったり、その日だけ特別になるお店もある。
いつも通っているお店だったとしたら新鮮であろうし、初めて伺ったとしたら、どういった方々が日々通っているのか、日頃どういう人達と関わっているのかがわかる。お店の雰囲気を凝縮しているのである。
そういった意味でも、お祭り感満載になっているところがほとんどである。
②試合形式でダーツが出来る
ハウスとはいえ「トーナメント」であるという事は、プレイヤーにとってとても重要な事であると私は考える。普段お店に行って投げていると、もう一回!!などと何度でも同じ人と対戦できるとは思うが、しっかりとゲームフォーマットが決まっていて、一発勝負という機会は普段のダーツ生活では中々お目にかかれるものではない。おおよそ「501-スタンダードクリケットー501」の3レグマッチが多いのではないだろうか。なんとなくハウスのゲームフォーマットと言えば、これが定番かと思っている。
もちろん「トーナメント」なので、予選ロビン方式が取られ、決勝はシングルイリミネーションというシンプルなイメージだが、お店によっては「ダブルイリミ」というとてもレアなパターンもあったりする。意外ではあるが、このダブルイリミも面白い。もちろんお店によってなので、3レグ目までもつれたらゲームフォーマットは「ハーフイット」や「パーティゲーム」などで決着する所もあれば、ロビン落ちしても敗者復活でカウントアップ対決などをするお店もあったと思う。
もちろんトーナメントなので優勝、準優勝、三位など順位が決まる。もちろん商品がもらえるところもあるだろう。大体において記念品や、トーナメントに協賛している業者や近隣のお店からのプレゼントや、お店でのサービス券などがほとんどであろうと思う。中にはガチンコで勝負しているお店などでは「1カ月プレイヤー券」としてお店の所属プレイヤーとして扱ってくれる所もある。そういう意味では割とがんばる甲斐がある事が多いのかもしれない。
③知らない人とたくさん知り合える(可能性が比較的高い)
カッコで注釈をつけてしまったのだが、常連さんレベルになるとトーナメント参加者は大体知り合いみたいな状態になる。昔、日本のHIPHOPレジェンドが歌っていた「悪そうなやつはだいたい友達」という現象と同じで、「ここに来る人大体友達」の人もいるだろうから一概には言えない。
参加人数によるのだが、一般的にダブルスで試合を行うか、ガチンコ勝負でシングルスかの二つに分かれる。
一般的なダブルスの場合は、主にハイ&ローでペアを決めるのが多い。もちろんペアエントリーも可能で、はじめて行くお店で不安だったり、組んだ人に迷惑をかけたくないと思い、事前にペアでのエントリーを可能にしてくれる事がある。初心者でも安心である。
ハイ&ローで均一なレベルにしてもらう事により、ロー側にも優勝のチャンスがやってくる。実際私はある店のハウスで決勝に進んだ事があった。対戦相手はゲストで来た超有名プロと、三日前にダーツを始めた女の子だった。私はベテランのお店の常連と組んでいたので、優勝間違いなしだと思っていたが……お察しいただけると思うが、負けてしまったのだ。かと思えば、別のお店では、特別うまくない二人が優勝していたりと、本当に誰が優勝するのかわからない勝負になる。そのようにドローしてくれるのである。
ペアになる人、対戦相手であった事のない人がいる事があるだろうが、ご安心いただきたい。みな、ダーツプレイヤーである。大爆笑取る一発ギャグも必要ない。ダーツの話をしていれば自然に親しくなってゆく事だろう。
ガチンコシングルスを売りにしているハウスももちろんある。そこに行けば自分より上手い人、強い人がいたり、尊敬できるプレイヤーや、自分と志が一緒の仲間になりうる人もいるだろう。ダブルスだけがすべてではないというのもいい事である。
④ハウス参加者の事をお店は絶対に忘れない
一番最後にして、究極のメリットといっていいだろう。
ハウストーナメント参加者が誰なのか、お店側は絶対に忘れないということである。つまり、次の来店の時には覚えていてくれるという事である。そもそもであるが、もちろん私もハウストーナメントを何度か主催してきたし、参加してきたり、様々な形で協賛させていただいた事もある。
ハウストーナメントに参加するには、まず申し込みをする。方法はお店によるが、大体は口頭かSNSをつかって行われる。その際に名前とレーティングを聞く。名前は本名でない場合もある。ニックネームやカードネームで受け付けてくれる所が多い。それに皆様たくさん名前を持っていることだろうから、ダーツバーなどでは本名を知らない知り合いが多い人もいる。お店側も、お顔と名前が一致するなら名前など何だっていい。「あぁ、ロミオ!!なぜ貴方はロミオなの?」という有名な戯曲のセリフがあるが、実際、ロミオはロミオと言う名前でなくとも、ロミオなのである。
つまり、あなたはあなたなので、名前などわかりさえすればいいのである。大体はお店で呼ばれているニックネームやカードネームが多いだろうか。しかし、それはそれでいいと私は考えている。
お店によってはデフォルトを防ぐために、先にエントリーフィーをもらったり、電話番号を聞く事もあるだろうが、それ以外で利用されることはない。中には常連様の信頼の下、聞かれない事もあるだろう。
名前と顔や容姿が一致すると、ダーツバースタッフもプロである。絶対に忘れることはないのである。もしかするととてもお客様が多く、混雑している通常営業では、忙殺されてしまう事も仮にあるかもしれない。ハウストーナメントに参加するという事は、全員が揃って一緒に始める事が多いだろうから、絶対にお店側はアナタの存在を忘れることはない。名前の確認もする。
お店のお祭りになるので、大抵の場合、お店のスタッフは全員出勤になっている事が多い。これもメリットである。どんなスタッフがそろっているのかを知ることで、また新たな親近感を覚える事もあるかもしれない。
トーナメント後、お店を訪ねてみるといい。お店の方は、きっとアナタの事を覚えていてくれるだろう。
最後に……
私も初めてのお店のハウスに参加した時の事をなんとなく思い出してみた。緊張こそしないまでも、そこから気が付けば知り合いになっている人や、友達になった人までいる。回数を重ねていけば、ハウストーナメントの時しかお店に来れない人もいる事に気が付いてみたりもする。ハウストーナメントというのはとてもいいものである。
特別なメニューが、安く提供される。通常営業よりは割安にお会計が済む。それもこれもお店の方の努力である。「ハウスやるので、協賛を!!」と私も業者に言った事もあったなと思った。快く協賛してくれるところもあれば、すこしシビアな所もあったかと思う。
ハウストーナメントは、日頃お店をご贔屓にしている常連様の為にしているものではない。すべてのお客様に向けて、出血大サービスをしている日なのである。お店の周年だったり、スタッフのバースデイなど、様々な冠でハウストーナメントは開催される。弛まぬ努力の結晶でもあるのが、ハウストーナメントである。
ダーツバー、なんだか行きにくいなと思う人が少しでも少なくなればとは思っているが、それでもやっぱりそういう人がいないでもないのもわかっている。自分の楽しみ方でダーツを楽しんでもらえればそれでいい。
ただ、選択肢の一つにダーツバーに行くというものがあっても面白いと思うのである。
その取っ掛かりとしては、ハウストーナメントは、意外に最高なタイミングなのかもしれないと、私はオススメしたい。
(画像協力:CafeNEXT様)
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